2009年2月2日月曜日

信州飯田ふるさと大使館だより Vol.1


「信州飯田ふるさと大使館」は東京・千代田区日比谷公園の一角「東京市政会館」B1の「日本地域新聞図書館」内にあります。このビル名をご存じない方も、「日比谷公会堂と同じビル」と言えば、「ああ、それなら知ってる」と言われるでしょう。1920年(大正9年)ごろ、安田財閥の総帥安田善次郎は東京市に対し、ホールと研究所を合わせたビルを寄付し、9年後の昭和4年に完成しました。ホールが公会堂で残りが市政会館です。
市政会館には戦前、事実上国営の「同盟通信社」が入居しており、開戦のニュースも、ポツダム宣言受諾(終戦)もここから世界に発信されました。同社は戦後、「共同」「時事」の両通信社に分割、両社はなお暫くこのビルに居ました。飯田市竜丘出身の出版ジャーナリスト塩澤実信さんによると、このビルは飯田と不思議な糸で結ばれています。同盟通信幹部だった岡村二一(同じ竜丘出身)は戦後間もなくここで日刊紙「東京タイムズ」を、また岡村と小学校時代からの親友熊谷寛もここで雑誌「ロマンス」を創刊していずれも大ブームを起こしたのでした。塩澤さんはこれらのことを自著「飯田の昭和を彩った人びと」に書いています。(つづく)